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パールのネックレス

先日、企業が主催する「お別れの会」に参列する機会があった。
この記事では、その様子について紹介したい。

「お別れの会」とは

企業の代表者などが亡くなったときに行われるのは「社葬」が一般的だったが、その代わりに後日改めて「お別れの会」を開催する企業が増えているようだ。

「お別れの会(偲ぶ会)」は、故人を偲び、別れを告げるためのセレモニーです。 まず葬儀を密葬で家族や親戚を中心に行った後に、日を改めて縁のあった方々に感謝の意を伝えたり気持ちの整理を付けたりする場として、お別れ会や偲ぶ会が行われています。

公益社「『お別れの会』『偲ぶ会』と葬儀の違いは何か?」

「社葬」と「お別れの会」は別のもの?

どちらも会社主催の広義での社葬であり、表現の違いだけで別のものではありません。一般的には、宗教儀礼を尊重して、あくまで本葬として位置づけし、故人を送る儀礼に重きを置く葬儀を「社葬」、宗教色や儀式性を社葬より薄めたものを「お別れの会」と呼ぶ事が多いようです。

公益社「『お別れの会』『偲ぶ会』と葬儀の違いは何か?」

関係者や親交のあった方々が多く集うことができる、故人らしさを尊重したお別れの場

お別れの会とは、告別を主眼としながら宗教色を廃した広い意味での「社葬」のひとつの形式です。お別れの言葉や指名献花などの式典を伴う儀式的なもの、お世話になった関係者や参列者をもてなす会食を中心としたもの、映像や写真によって故人を偲ぶものなど形式は様々です。

公益社「お別れの会」

社葬の手伝いをした経験がある。

文字どおり、会社が執り行う「葬儀」で、参列者は喪服(準礼服/ブラックフォーマル)を着用。
香典・供花を受け付け、焼香など、一般的な葬儀のような進行だった。

「お別れの会」「後日開催される」「宗教色のない自由な形式で」「故人を偲ぶお別れの場」といったイメージだろうか。

ネットで写真を検索してみても、はっきりとしたイメージはつかめない。大きな祭壇の前でブラックスーツの参列者が献花をする様子もあれば、会食しながら談笑する様子もある。

さて、どうしたものか。

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会の概要

亡くなったのは、かつて勤務していた会社でお世話になった方だ。

社員より訃報を聞き、お別れの会について知った。

企業のサイトにも案内が出ており、恐らく誰でも参加できるのだろう。
取引先などの関係者には封書で案内状が送られたようだ。

開催は平日の昼、1時間半の間。

会場はホテルの大きな宴会場だ。

香典、供花、供物は辞退するとのこと。
無宗教形式で式典なし

進行については、案内ではよくわからない。 恐らく、受付を済ませ、献花をした後、会食があるのだろう。

下記のサイトを参考に会の様子をイメージした。

参列者の服装

私は、何を着ていったらいいのだろう?

案内には「平服にてお越しくださいますようお願い申し上げます」 とある。
いちばん悩ましいのがこのパターンだ。

聞いたところによると、社員には細かいドレスコードがあるようだ。

〔男性〕 ダークスーツ(黒、紺、グレー)、ワイシャツ(白系)、靴は黒系
〔女性〕 スーツ、ワンピース、アンサンブル(黒、紺、グレー)

先に紹介したサイトでは下記のように触れられている。

平服とは普段着のことではなく、“正装ほどではないきちんとした服装”を指します。 このような一文が付されるようになった背景には、「格式にこだわらずにお越しください」という参列者への配慮と、弔事以外の催しも行っているホテル側の意向を受けてという2つの理由が関係しています。このことからお別れの会案内状では参列者に喪服ではない略礼服として、ダークスーツ(ビジネススーツのグレー・濃紺など)の着用をすすめるようになりました。

公益社「企業の「お別れの会」に参列する際の服装のマナー」

また、次のような情報もあった。

実際そうした場に行くと、悲しみに沈むというよりは和やかに故人をしのぶ雰囲気であることが多いように感じます。このような場合、まず喪服ではまいりませんし、喪服でなくても真っ黒な装いではないほうが望ましいでしょう。といってもさすがに真っ赤なスーツや、キラキラとスパンコールがついたような華やか過ぎる装いは控えます。一般的には、濃紺やダークグレーなどの落ちついた雰囲気にするのが無難です。(中略)

もし故人がおしゃれな方だったなら、シックなブローチやコサージュを控えめにつけても問題ないでしょう。(中略)

女性の場合、ストッキングは黒かナチュラル色にして、柄物やラメなど光るものは控えます。そして靴とバッグは、革ではなく布素材のものにすると、ワンランク上のマナーを「知っている人」と評価されます。

WOMAN SMART(日本経済新聞社)「お別れの会の装いは?大人女性が知るべき喪のマナー」

「真っ黒な装いではないほうが望ましい」(…えっ!)

参列した経験のある友人よりは「会場がホテルだから他の利用客に配慮して、むしろ礼服ではない方がいい」とも聞き、いよいよわからなくなってきた。

ネットで見る画像では、礼服からグレーのアンサンブルまで服装はまちまちだ。
特に女性は自由度が高いように見える。

ダークスーツを着た男性の格に合わせると、ワンピースやアンサンブルが妥当だろうか。
きちんとしていて、ホテルに相応しく、礼服より少し崩した「平服」…?


迷いながら選んだのはこんな服装だ。

  • 黒のワンピース(7分袖・膝丈、織の入った光沢のないウール)
  • パールのネックレス(フォーマル用 )
  • 黒のタイツ
  • 黒のパンプス(スーツに合わせている靴)
  • 黒のナイロンバッグ(ワンショルダー、ワンピースでも持てるデザイン)
  • 髪とメイクは礼服のときと同じ
  • 黒のトレンチコート、ダークグレーのストール(会場内では脱ぐ)

全体的にあえて礼服より少し崩した

また、勤務していた当時の姓を追記した名刺を1枚用意した。 受付で記帳の代わりに名刺を出す場合があると上記のサイトに記載があったからだ。

当日の様子

駅から会場までの道に案内の係員が数名。恐らく社員だろう。礼服を着ている。

会場のホテルに着くと、大きな受付のテーブルがあり、白のブラウスと黒のパンツのユニフォームを着た女性スタッフに案内された。

受付では案内状の封筒を提示するか、名刺を1枚渡す。 記帳もできるが、名刺があることでスムーズに受付を済ませられた。

クロークがあり、コートとストールを預けた。

挨拶状を受け取り、部屋に入ると、200名ほどの参列者が椅子に座って順番を待っている。
ざっと見たところ、8割が男性だ。

気になっていた服装は下記のような感じだった。

〔男性〕
ダークスーツがほとんど。目立たないストライプ柄の場合も。 一部に礼服の人がいた。バッグを持つ人は少ない。

〔女性〕
さまざまな服装。皆同じように迷った感じ。 ブラックフォーマル、または礼服に近い服の人が多い。ワンピースやセットアップなど。 パールのネックレスでも細くなければ目立ちそうなくらい、フォーマル寄りな装いの人が多かった。

バッグもクロークに預ければよかった…。

平日の昼なので仕事の合間に参列する人もいる。
女性の場合、黒や紺、ダークグレーのスーツやパンツルック、セットアップ、ニット、ブラウスなど。

黒のコクーンワンピースで、胸元に白いブローチを着けた女性がいて、こなれた感じが素敵だなと思った。


結果として、フォーマルに近い服装で来て正解だった。
ダークスーツの男性の中では、ある程度きちんとしていないと目立ってしまう。

会場の雰囲気など、全体的にフォーマルな会だった。
企業主催の「お別れの会」と有志による「偲ぶ会」は性質が違うものだと感じた。

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順番に隣の部屋に案内される。

大きな祭壇があり、100人ほどが並んで献花を待っている。
入り口で白いバラを1輪渡された。

10人が横に並んだ列ごとに一斉に花を手向けて一礼。
無宗教形式だが、合掌をする人も多かった

献花までは20分待ちだった。
混雑している時間だったのかもしれない。

社員の話によると、想定より参列者が多かったようだ。
恐らく数百人の規模だろう。
開催する側はどれほど大変だっただろうか…。

献花が終わるとさらに奥の部屋へ案内される。

入り口で喪主に一礼すると、スタッフに勧められ、飲み物を受け取る。
立食形式の食事が用意されていた。
奥には故人の写真を掲げたコーナーもある。

知り合いを探しては近況を報告しあい、あっという間に時間が過ぎた。

1時間半の時間内であれば、いつでも入退場できるようだ。

出口でお礼の品を受け取り、会場を出た。

参列して感じたこと

かつての職場の上司、先輩方にお会いすることができた。
故人にお世話になったこと、楽しいできごと、皆で乗り越えた困難、賑やかな職場の雰囲気。
18年ぶりに思い出して涙が流れた。

思い切って参列してよかった。
懐かしい人たちとの再会。故人が繋げてくれたご縁だ。
次は楽しい集まりで皆に会いたい。


遠方にいて参列できない人が弔電について会社に問い合わせると、担当社員より辞退の申し出があり、

「12:30に一緒に手を合わせていただければ」

と返事があったそうだ。

「お悔やみ」とは形式ではない。
少しマナーから外れても、そんなことは問題にならないだろう。
故人を偲ぶ気持ち、それに勝るものはない。

まだまだ活躍できたであろう故人の遺影を見て、さみしくなってしまった。

皆それぞれ、しっかり生きて、元気な姿で再び会いましょう。

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