焼きそら豆の研究|グリルで高温調理、強火を恐れるな!〔初夏の味を楽しむ〕

実家のある街(神奈川県西部)では5月にそら豆の旬を迎える。直売所のアナウンスでは「収穫時期はわずか2週間」

そら豆は鮮度が命。今しか食べられない初夏の味を楽しみたい。

今回はそら豆チャレンジ第2弾、「焼きそら豆」の記録。

もくじ

皆さんのおすすめは「焼きそら豆」

前回は直売所で袋いっぱいのそら豆を買った。魚焼きグリルに入りきれないのでフライパンで「蒸しゆで」にしたら、好みの硬さに仕上がって大満足!

〔関連記事〕フライパンで「蒸しゆで」したら大好評!そら豆の種類とゆで方の紹介。

Twitterで紹介したところ、フォロワーの皆さんから「さやごと焼く」方法をおすすめいただいた。

グリルでの調理にはさまざまな利点がある。栄養が失われにくく、味が濃厚になるようだ。

  • 短時間で水分を飛ばすので、ビタミンCが溶けだしにくい
  • 水分が飛んで野菜本来の味がギュッと凝縮されるので、甘みをより強く感じる
  • 味が濃厚になるので冷めてもおいしく、お弁当にもぴったり

ウチコト(東京ガス)「魚焼きだけじゃもったいない! 魚焼きグリル活用術10選」

これは是非試してみなくては!

スポンサーリンク

生産農園のおすすめ調理法も「魚焼きグリルで焼く」

直売所で購入したそら豆に同梱されていたチラシでも、おすすめされていたのは焼きそら豆だった。

おいしい空豆の焼き方

空豆は洗って濡れた状態で魚焼きグリルに入れ、中火で片面5~6分を目安に両面を焼く。フライパンの場合は蓋をして焼いてください。
(外側がしっかり黒く焼けるまで!)

双葉農園(チラシ)

レシピの焼き時間はいろいろ

焼きそら豆にトライするにあたり焼き方のレシピを探してみた。目安とする加熱時間に幅があり、どれを採用するか迷ってしまう。

「グリルにさやごとのせて黒く焦げ目がつくまで焼く」のが基本のようだ。

やまでらくみこさん:強火で9分を目安に、さやに焼き目が付くまで焼いたら出来上がり。

キッコーマン:さやごとグリルに入れ、皮が焦げるくらいまで7~9分ほど焼く。

東京ガス:両面焼き水なしグリル 上・下強火 約10分

北海道ガス:予熱5分→上下とも強火で8分

強火で一気に加熱できる魚焼きグリル

「家庭の調理器具の中でもっとも短時間で高温になる」のが魚焼きグリルだ。

ほとんどのレシピでは予熱について触れていない。焼く前にグリルを温めるか迷ったが、点火から約1分で庫内温度が超高温になるので予熱はしないことにした。

「魚を焼く」イメージの強いグリルですが、実は「家庭の調理器具の中でもっとも短時間で高温になる」という特徴があります。

魚焼きグリルは、点火から約1分で庫内温度を300℃以上の超高温になります。トースターの温度200℃~250℃程度、オーブンの最高温度300℃と比べると、魚焼きグリルの温度の高さがわかりますね。

なぜこんなに短時間で高温にできるかと言うと、魚焼きグリルは庫内がコンパクトで直火だから。ミニオーブンとしても使えますし、調理時間の短縮にもつながりますよ。

ウチコト(東京ガス)「魚焼きだけじゃもったいない! 魚焼きグリル活用術10選」

加熱の時間はグリルの種類(片面・両面)や機種によって異なる。そら豆の大きさや量も違うので、レシピの時間は目安と考えることにする。

グリルはじか火で焦げ目をつけるだけでなく、庫内を対流する熱で食品の中まで火を通せる。(中略)

グリルは家によってタイプが違う。片面焼きなら途中で裏返しながら両面焼きのときの1.5倍の時間をかけて焼く。庫内温度もそれほど高くならない。レシピの時間は目安と考え、ベストを探ろう。

日本経済新聞「魚焼きグリルで肉・野菜料理も 余熱でじっくり」
スポンサーリンク

焼き時間の検証:一筋縄ではいかない!

【TAKE 1強めの中火で11分半

野菜自販機のそら豆
朝採れの新鮮な野菜を格安で買うことができる。

無人販売のロッカーでちょうどいい量のそら豆を発見。

さて、焼きそら豆チャレンジ第1回。

そら豆
200円でこの量はお得!
大きいそら豆が火の真下にくるように並べる。

魚焼きグリルは両端と奥の温度が高くなるので、大きいそら豆を端に並べた。

加熱時間については最後まで迷った。いつも中くらいの大きさの魚を焼くときは「予熱あり、強めの中火で9分」を目安としている。

使っているのは30年近く前に製造された両面焼きのグリル。最大の火力で長い時間加熱したことがなかったので少し怖かった。

「強めの中火で10分」焼いたが、焦げがついていないように見えたので、90秒追加

焼きそら豆
全体が黒く焦げるまでしっかり焼いた。
焼きそら豆

できあがりは良さそうに見える。

ところが食べてみるとふにゃふにゃ。好みの硬さよりずいぶん柔らかい。残念!

【TAKE 2】強火全開で9分

そら豆
今回も同じくらいの量を焼く。
そら豆
焦げやすそうな部分をカットしておいた。

短時間で火を入れないと焼き過ぎてしまう。前回の教訓より「強火全開で9分」にチャレンジ。まだ怖い。

焼きそら豆
前回と変わらず、外側に大きいそら豆を置く。
焼きそら豆
表に少し焦げ目ができた。裏はかなり黒くなっている。
焼きそら豆
取り出してみると思ったよりよく焼けている。
焼きそら豆
中までしっかり火が通っている。

今度はいい感じではないか?

食べてみると…おいしいけれどまだ柔らかい

白えんどう豆の水煮のような食感。うーん、もう少し短くするか。

【TAKE 3】強火全開で9分

まだロッカーでそら豆を売っていた。

今度こそ、理想の硬さを。思い切って「強火全開で7分半」。どうだ!

焼きそら豆
7分半焼いたあと。表には焦げ目がない。
焼きそら豆
裏側の方が火が強いようだ。

表面にはほとんど焼き目がないが、良さそうだ。

硬さは…これまでの中ではいちばん狙ったものに近いかもしれない。「しっとり」と「ほくほく」の両方の食感を感じる。

「今年はこれで良しとしましょうか」と一同合意。

理想を追求するためにはもう少しトライしたいのだが、さすがに一旦休もう。

好みの硬さは人それぞれ

今シーズン、4回そら豆を焼いたのだが、食べているうちに正解がよくわからなくなってきた。同居人は「白えんどう豆の硬さ」がおいしかったと言う。

結論としては「どれもそれなりにおいしい、あとは個人の好み」

香りと味の濃厚さは「焼き」、硬さのコントロールは「蒸しゆで」

焼きそら豆とゆでそら豆の両方にチャレンジしてみて感じたことは、

「焼きそら豆」は

  • そら豆らしい香り(強烈なので好き嫌いは分かれそうだ)と濃厚な味を楽しめる
  • グリルに入れて焼くだけなので他の作業と並行で進められる

「ゆでそら豆」は

  • 硬さのコントロールがしやすい
  • さやを剥くので豆の状態を確認しながら料理できる

それぞれ良い点があると思う。

来年は…どちらにしよう?迷うところだ。

〔2021/5/4 追記〕

今年は憧れのグリルパン、アサヒ軽金属「スペースパンワイド」が手元にある!

魚を焼くと「外はカリカリ、中はジューシーでふわふわ」と最高の仕上がり。そら豆はどうなるだろう?試してみよう。

白い「わた」の味は?

そら豆の残念な点は捨てる部分の多さ。しかし、焼きそら豆ならさやの中の「わた」も食べることができる

スプーンですくって食べてみると、とろとろしていてうす甘い味だった。

旬のそら豆、最高!

今年はタイミングが良く、何度もそら豆を食べることができた。試してみると意外に簡単。加熱時間を極めればさっと簡単に作ることができて栄養価の高いおつまみになる。

採れたての地場野菜をその日のうちに調理して食べるのはやっぱり最高。
また来年も出荷を待ち構えて買いに行こう!

そら豆の収穫時期はわずか2週間。
初夏の味を是非味わってみてほしい。

スポンサーリンク
おすすめの記事