私のダイエットのテーマは「ビールを飲みながら4.5kg痩せる」だ。
一日の割り当てとして、ビール350ml(140kcal)、焼酎水割り2杯(144kcal)の計284kcalを設定している。
ダイエットの方針とカロリー消費プラン。
最初の記事:ダイエット開始までの経緯。
アルコールについては「飲んでも太らない」などいろいろな説がある。
果たして実際はどうなのだろうか。
調べているうちにいくつかの恐ろしい事実がわかってきた。
もくじ
「飲んでも太らない」って本当?
アルコールとダイエットの関係について調べていると、「エンプティカロリー」という言葉が出てくる。
「アルコールのカロリーは体に蓄積されず熱として消費されるから飲んでも太らない」と解釈されがちであるが、実際には異なる。
「エンプティカロリー」というのは、アルコールにはビタミンやミネラルなどがほとんど含まれず、栄養素は空っぽだという意味だ。
ただし、アルコールのカロリーは食品と違う消費のされ方をするのは本当のようだ。
とはいえ、それは「太らない」ということではない。もっと複雑な作用による。
アルコール自体のエネルギーは糖質、脂質、たんぱく質といった他の栄養素と異なり、体に蓄えられることのないエネルギー(いわゆるエンプティーカロリー)といわれます。吸収されたアルコールは体に蓄えられる代わりに熱になり、酸素消費量が増えてエネルギーが消費されることになります。従って実際に利用されるエネルギーは体内に入ったアルコールの70%程度、すなわちアルコール1グラムあたり5キロカロリー程度ではないかと言われています。
e-ヘルスネット(厚生労働省)「アルコールのエネルギー(カロリー)」
従って、食品と同じようにカロリーをカウントするのは実際の数値と差異があると考えられる。
アルコールと中性脂肪の関係
では、飲んでもいいかというとそうではない。
カロリーだけではなく、肝臓で中性脂肪が過剰合成される問題があるのだ。
また、飲み過ぎると、肝臓に脂肪が貯まる。肝臓は、アルコールの代謝産物である酢酸から大量に合成された脂肪酸を処理できず、再び肝臓内で中性脂肪が合成されて蓄積していく。こうして、常習飲酒者は、脂肪肝にもなれば、容易に脂質異常症にもなる。腹囲も増えるのである。
日経Gooday「「お酒では太らない」なんてあり得ない」
トリグリセリドは、肝臓における合成の増加を反映して、アルコール摂取量に比例して増加します。過度のアルコール摂取は、脂肪組織からの遊離脂肪酸の放出を促進させるとともに肝臓のアルコール代謝が亢進し、それに伴って酸化されない脂肪酸を増加させ、結果として肝細胞内での脂肪酸からのトリグリセリドの過剰合成が引き起こされます。その一部は肝臓外へ分泌されて高トリグリセリド血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
e-ヘルスネット(厚生労働省)「アルコールと高脂血症」
中性脂肪(トリグリセリド)のみならず、長期間に大量の飲酒をする場合、HDLコレステロールの著しい上昇が起こる場合がある。
HDLコレステロールはアルコール摂取量の増加に伴って増加します。適量の飲酒(男性で1日日本酒換算1合ぐらい)であれば、血圧を上げずにHDLコレステロールが増加するため、脳血管障害・虚血性心疾患の発生率を低下させるといわれています。これが「適度の飲酒が寿命を延ばす」と言われるようになった所以です。(中略)
さらに長期間の大量飲酒者では、ときに100mg/dlを超えるような著しい高HDLコレステロール血症を認め、角膜輪や虚血性心疾患を合併することもあります。したがって長期大量飲酒者での高HDLコレステロール血症は、適度の飲酒時の動脈硬化を予防するHDLコレステロールの増加とは、異なるものとして考える必要があります。
e-ヘルスネット(厚生労働省)「アルコールと高脂血症」
アルコールと栄養素
前述のとおり、アルコールのカロリーは栄養素をほとんど含まない「エンプティカロリー」だ。
よって、アルコールのカロリーでは体重を維持することができない。
アメリカの医学者グルーショーらが、約1万人を対象に飲酒者の栄養素の摂取量を調べたところ、アルコール摂取量の増加は肥満とは結びつかないと結論されています。また、アルコールが太る要因かどうかを調べた研究では、食事中のエネルギー量を減少させ、アルコールでその分のエネルギーを補填しても体重は維持できず、太る要因にはならないことが確かめられています(糸川嘉則ら編『アルコールと栄養』光生館、1992年)。
月桂冠「「飲酒すると太りやすい」と聞きますが本当ですか?⇒酒だけでは太る要因にならない、いっしょに食べる肴やカロリーの総量を考えて」
食品のカロリーを制限するダイエット中に、あえて栄養素のほとんどないアルコールを摂取することは健康上も好ましくないのは言うまでもないだろう。
「節度ある適度な飲酒」の量は意外と少ない!
アルコールについて調べているうちに、衝撃の事実が判明した。
総死亡率に基づいて厚生労働省により定義されている「節度ある適度な飲酒」の量が思いがけなく少ないのだ。
厚生労働省は「健康日本21」の中で「節度ある適度な飲酒」を以下のように定義しています。(中略)
「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。」「飲酒量の単位」の項でも説明していますが、20gとは大体「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チュウハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。この数値は日本人や欧米人を対象にした大規模な疫学研究から、アルコール消費量と総死亡率の関係を検討し、それを根拠に割り出されたものです。
e-ヘルスネット(厚生労働省)「飲酒のガイドライン」
これで驚いてはいけない。
女性の飲酒量について付帯事項に記載されている。
まず「アルコールの吸収と分解」の項で、一般に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅いことを説明しています。体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても、女性は男性に比べて臓器障害を起こしやすいことも知られています。これらの理由から女性の飲酒量は男性に比べて少なくすることが推奨されています。諸外国のガイドラインなども参照してみると、男性の1/2~2/3程度が適当と考えられます。
e-ヘルスネット(厚生労働省)「飲酒のガイドライン」
アルコール消費量と総死亡率の関係を考えると、私は酎ハイ1/2缶しか飲むことができないのだ!
もはやカロリーの問題ではなくなってしまった。
自分は程良い量のアルコールの摂取をしていると思っていたのでこの数値には驚いた。
とはいえ、夜のビールは一日の楽しみで、そのために運動をがんばっている。
今回はこのまま飲み続けることにして…長期的にお酒との付き合い方を考えよう。
ダイエットにおいて、アルコールは良い結果を生まない。
予想通り、できれば「控えた方がいい」という結論だ。