夜中の間食が減ってきた!夜間摂食症候群とその後の私

もくじ

夜中の間食が減ってきた!

夜中や朝方にお菓子を食べる癖があり、体重が増えてしまうので困っていた。

そのときは「食べよう」とはっきり意識しながら食べるのだが、途中で寝てしまい、目が覚めるとかなりの量のお菓子を食べた形跡があった。なぜそこまで食べてしまったのか、自分でもよくわからなかった。
そして、間食をやめたいと思っても、毎日のように繰り返してしまうのだ。

このような自分の状態は、夜間摂食症候群(night-eating syndrome; NES)と呼ばれる摂食障害ではないかと考え、情報をまとめた記事を書いた。

その後、夜中の間食の頻度は自然に減ってきて、落ち着いた状態が半年以上続いている

今回の記事では、間食が減った理由について仮説を立てて考えてみる。

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ストレス:プレッシャーからの解放

NESの背景には、ストレスによって引き起こされる食欲に関連するホルモンの異常がある。

食欲を抑制するレプチンや、増進させるグレリン、睡眠に関与するメラトニンや、ストレスに対抗するコルチゾールといったホルモンの働きが低下し、分泌のリズムが乱れてしまう。

夜中の間食を根本的に解決するには、ストレスを減らすことが最も有効で直接的な方法だろう。

現在の私のストレスの状況について考えてみる。

ただ、4.5kgのダイエットに成功したのが精神的に大きくプラスに働いている。
痩せたことに加え、運動や食事のコントロールで無理をしなくていい状況になったので、プレッシャーから解放された。

環境や日々の生活にはそれほど変化がないように思う。
生活のスタイルや状況はこれまでどおりで、ストレスが大きく減るような要因は特に思い当たらない。

はっきりした実感はないが、「以前より穏やかな気持ちで日々を過ごしている」のかもしれない。

睡眠:早朝覚醒の減少

夜中の間食が減った直接的な原因として思い当たるのは、睡眠の質が良くなったことだ。
睡眠時間が長くなり、早朝に起きる回数が減った。

したがって、物理的に早朝の間食ができなくなったのだ。

運動:継続的な運動習慣

よく眠れるようになったのは、日中の運動量が増えたからではないだろうか。
ダイエットのために継続的に運動をしていたことで、ぐっすり眠れるようになったように感じる。

仮説:ポイントは運動量 

これまでに挙げた状況により

  • 運動量が増えたことで、睡眠の質が改善し、間食が減った

運動・睡眠

ということが考えられる。

同時に、

  • 運動量が増えたことで、ストレスが軽減され、睡眠の質が改善し、そのことによりさらにストレスが減り、間食が減った

ということも考えられる。

運動・睡眠・ストレス

そこで、運動がもたらす睡眠とストレスへの効果について考えてみる。

私の運動習慣:ウォーキングと筋トレを中心に

この半年、以下の運動を行ってきた。

  • ウォーキング(1日5,000~10,000歩)
  • スロージョギング
  • 踏み台昇降
  • 水泳
  • 軽い筋トレ

膝を痛めた影響で、現在も継続しているのはウォーキングと筋トレだ。運動量は日によって異なるが、週4~7日の頻度で行っている。

運動は睡眠の質を改善する

日常的に運動の習慣をもつことで睡眠の質が改善されることがわかっている。
寝つきが良くなり、中途覚醒が減り、睡眠時間が長くなる。

運動の習慣が睡眠の質を改善することは、海外の研究で確認されている。長期的に運動を続けることで、寝つきが良くなり、夜中に目を覚ますことが減り、徐波睡眠(入眠直後に訪れる最も深いノンレム睡眠。成長ホルモンが分泌され、細胞が修復される)が増え、全体の睡眠時間が長くなるという。

日経ビジネスオンライン「運動の習慣で『睡眠が若返る』!寝付きや睡眠の質を改善、まずはウォーキング・階段から」

幅広い強度の運動について、週に1回以上行うことで睡眠の質と時間に関するリスクが低くなるという研究結果もある。

週1回以上の運動実施者は、非実施者と比べ、将来的に「睡眠の質が不良になるリスク」や「睡眠時間が6時間未満になるリスク」が低いことがわかりました。この運動による効能は、歩行程度の低強度運動から、歩行とジョギングの組合せ(中強度)、ジョギング(高強度)といった幅広い強度の運動において得られることが分かりました。また、運動は睡眠時間より睡眠の質に対してより影響があることが示唆されました。

公益財団法人明治安田厚生事業団「運動で睡眠を良好に保つ」

厚生労働省も、習慣的な運動が睡眠の維持に効果を及ぼすことについて言及し、有酸素運動(早足の散歩や軽いランニングなど)を推奨している。

国内外の疫学研究(数千人を対象とした質問紙調査)において、運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。とくに睡眠の維持に習慣的な運動の効果があるようです。運動の内容も睡眠に影響します。1回の運動だけでは効果が弱く、習慣的に続けることが重要です。その効果として、寝付きがよくなるのと深い睡眠が得られるようになります。特に高齢者など普段から不眠がちな人に効果が大きいようです。激しい運動は逆に睡眠を妨げますので、負担が少なく長続きするような有酸素運動(早足の散歩や軽いランニングなど)が良いでしょう。

e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠と生活習慣」

運動のタイミングについては諸説あるようだが、厚生労働省は夕方から夜(就寝の3時間くらい前)の運動が効果的だとしている。

運動のタイミングに注意を払えば、さらによい睡眠が確保できるでしょう。効果的なのは夕方から夜(就寝の3時間くらい前)の運動だと言われています。就寝の数時間前に運動によって脳の温度を一過性に上げてやることがポイントです。そうすると床にはいるときの脳温の低下量が運動をしないときに比べて大きくなります。睡眠は脳の温度が低下するときに出現しやすくなるので、結果として快眠が得られやすくなる訳です。ただし就寝直前の運動は体を興奮させてしまうので禁物です。

e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠と生活習慣」

結果的に、私は「有酸素運動」であるウォーキングを「習慣的」に行っていたので、睡眠の質が改善されたのではないだろうか。

運動はストレス耐性を高め、抑うつ症状を改善する

定期的な運動を長期にわたって行うと、抑うつ症状の改善に効果があることがわかっている。

最近では、運動が抑うつ症状や睡眠の改善に効果的であることがわかってきました。ジョギング、ランニングといった高強度の運動が効果的とされていますが、30~40分/回のウォーキングを週2回、12週間続けると抑うつ症状の改善がみられたという報告もあります。
英国のNICEガイドラインでは、45~60分/回を週3回、10~14週間続けるプログラムが軽・中等度の抑うつ症状、または閾値以下抑うつ症状に対して推奨されています。

公益財団法人神奈川県予防医学協会「よい睡眠でよいメンタルヘルスを」

「リズム運動」の提唱で知られる脳生理学者で医師の有田秀穂氏によると、イライラや不安、気分の落ち込み、意欲の低下などを改善するセロトニンの分泌が、運動により活性化されるという。

精神の安定には、適切な睡眠や規則正しい食事に加え、セロトニン神経を活性化させる「運動」を心がけることが大切。それには、筋肉の緊張と弛緩を一定のテンポで繰り返す「リズム運動」が適しています。ウォーキングやジョギング、スイミング、サイクリング、エアロビクスなどが当てはまります。

ニチレイ健康保険組合「運動習慣でメンタル強化『歩く』ことから始めよう」

上記の資料では以下のような運動が推奨されている。

  • やや速足のウォーキングなど
  • 5~30分以内
  • 10分ずつなどに分けて行っても効果あり
  • 朝、太陽の光を浴びるのがベスト

また、ランニングやスイミングなど、「やや息がきれるくらいの運動」で「ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾールの値が上がりにくくなり、ストレスに対する抵抗力が高められるとされている。

結果、「有酸素運動がストレス解消には最も効果的。また、日頃有酸素運動を定期的に行なっている人は、日常生活においてストレスがかかりそうな場面に出くわしたとき、運動を習慣づけていない人に比べてコルチゾールの値が上がりにくい」と結論づけられました。(中略)

つまり、運動が、ストレスに対して過剰に反応しないよう体をしつけるのであり、有酸素運動によってストレスに対する抵抗力が高められるのです。(中略)

具体的には、「ランニングやスイミングなどの有酸素運動を週に2、3回、20~30分続ける」とストレス耐性が養われると、今の科学では唱えられています。
このときの運動のペースとしては最大酸素摂取量が70%ほどの「やや息がきれるくらいの運動」が良いとされていて、やりすぎは逆効果との研究も上がっています。

東洋経済オンライン「ストレスを飲酒で抑え込むのが危ないワケ 耐性を高めるためには有酸素運動が有効だ」

運動には、意欲やストレスへの耐性を高める効果がある。

私個人の感想だが、スポーツをすること自体がストレスの解消に役立つ
体力がついてくることにより、一層体を動かすことが楽しくなってくる。

手軽に取り入れられるのは運動の習慣

NESの主要な原因はストレスである。

しかし、時間に追われ仕事や家事のプレッシャーも大きい日常において、ストレスを減らすことはそう簡単ではないだろう。

運動には睡眠とストレスを改善する効果がある。

私は運動を続けることでぐっすり眠れるようになり、結果的に夜中の間食が自然に収まった。

運動の習慣なら手軽に取り入れられるのではないか。
まずは軽いウォーキングから始めてみてはどうだろう。

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その他 工夫したこと

細かい工夫を取り入れて、徐々に間食を減らしていった。

ヘルシーなおやつを少しだけ

夜中に強い食欲を感じたときは、少し食べてしまうことでかえって落ち着く場合がある。

ナッツやドライフルーツなど、自分が好きでヘルシーなおやつを揃えておいた。
大量に食べてしまっても他の食品より罪悪感が少ないのもポイントだ。

朝ごはんの一部として

時間によってはそのまま起床してしまう
朝ごはんの一部としてパンやバナナ、ヨーグルトを食べていた。

ゆったりした気分で

今でもたまに間食をしてしまうが、あまり気にしないようにしている

ストレスを意識しないことが長続きの秘訣なのではないか。


間食の頻度は減ったが、最近も、寝床で板チョコを食べ、そのまま寝てしまって背中で板チョコを溶かしたり、相変わらず「やらかして」いる

今になって思えば、食欲をコントロールできないというのは余程のことで、ストレスが処理できないSOSサインだったのではないか。

この記事を読んでいる人の多くは同じような悩みを抱えているだろう。

間食の程度がひどく自力で止められない場合、一人で悩みを抱え込んでしまわずに、早めに心療内科や精神科などの専門機関に相談することをおすすめしたい。

ゆったりした気分で、焦らず治していこう。


〔2020/3/16 追記〕

しかし、食欲というのはデリケートなもので、強いストレスをきっかけに間食が再開してしまうのだった…。

「食欲といかに付き合うか」は永遠のテーマだ。

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