母の葬儀の日は11月には珍しくかなりの雪が降った。山は白く色づき、交通にも影響が出た。 https://twitter.com/wni_jp/status/801619334653038592?s=20 タクシーで家族葬の小さな会場へ向かう。道路にも雪がうっすらと積もっている。運転手さんは以前に病院に向かう母を乗せたこ...
母のいた日々の記事一覧
母の病状は日ごとに変化し、緊迫した状況が続いていた。 病室に通い続ける父の体力も限界に近く、サポートにも気が抜けなかった。カレンダーを作ったり、葬儀の準備をしたり、することが意外にあって慌ただしく、悲しいという気持ちが麻痺していた。 その頃、新宿のユザワヤでセールが始まっていた。閉店するということで、ミシンから文具まで...
母にカレンダーを作ることを思いついてから、生きているうちにできることはないか、競うように皆で探した。 妹は母の足をマッサージした。私は腕や脚にボディーローションを塗った。「リップクリームを塗って欲しい」という母よりのリクエストに父が応えた。 拭き取り化粧水で顔を拭き、うぶ毛をフェイスシェーバーで剃った。最後に爪を切るこ...
関西に住む母の姉(私の伯母)に会う壁紙の張り替え、電気工事美容室へ行くことお世話になった人に手紙を書くこと水のいらないシャンプーで洗髪すること爪を切ること 母に頼まれて買った便箋類。ひとことだけ書けば済む一筆箋も用意した。 母の手帳には、レストランや旅行、本についてのメモがたくさん残されている。 興味を持ったことがぎっ...
母が日付を訊ねるようになった。 変化のない病室の暮らしでは時間の感覚がわかりにくくなるだろうし、痛み止めの薬の影響なのか見当違いなことを言う日も増えてきて、自分でも気にするようになったのだろう。 「今日は1900何年?」「2016年!」 猫の日めくりカレンダーを作ることにした。とびきりかわいくて、元気の出るやつ。生きて...
遺影というものが苦手だ。 実物より大きな顔や、不自然に修正された服装や背景を見ていると、落ち着かない気持ちになってくる。 自宅で療養していた8月、母は一日中寝て過ごすことが多かった。起き上がって話せる体調ではなかったこともあり、私や妹が実家へ行くことは断られた。 私は仕事を休んでいたのでエネルギーを持て余していた。楽し...
秋の始めは、病院と実家とを行き来する日々を送っていた。 再入院した母の体調が思わしくなかった日、父と話しているうちにどちらからともなく葬儀の話になり、地元の葬祭業者の名前を教えてもらった。父は親族のみでの家族葬を考えていた。 別の日、病院で父と一緒になったので、帰りに家族葬の会場に見学に行かないかと提案した。 業者に連...
さっぱりしていて、はっきりしていて。不要なことは不要、嫌なことは嫌と言う母だった。 実家との行き来が楽になるよう、ペーパードライバー講習を受けようと考えていることを話すと「あなたがそうしたいならそうしなさい。実家のためにするのであればしなくていい。」 買ってきた乾電池の余りを実家に置いていこうとすると「そんなに使わない...
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