父の記事一覧
母の死後、私がひっそりと進めていたことがある。父が気が付かないくらい小さなところから、実家に残された母の気配を「上書き」していたのだ。 この家の思い出に父の心が押しつぶされてしまわないように。まるで秘密の花園のように、こっそりと、濃密すぎる気配を薄めていった。 最後の夏、母が思うように食事を取れなくなった頃に口にしてい...
最近、父のことをずっと考えていて、なかなか答えが出ないでいることがある。 それは「さみしさはどこからやってきて、どこにいくのか」ということだ。 今、私は週に2~3日、泊まり込みで実家に行き、父に食事を作っている。幸い父にはまだ介護の必要はない。何をするでもなく、ただ一緒に過ごしてごはんを食べる。 始まりは母の入院だった...
父は字を書くことができない。正確に言うと、ペンを持った手が震えて字を書くことができないのだ。 「本態性振戦」という、パーキンソン病のようなはっきりとした原因がないのに震えが起こる病気だ。 本態性振戦はふるえのみが症状の病気です。逆にいうと、ふるえ以外の症状はみられないのが特徴です。40歳以上では4%、65歳以上では5~...
父と会うのは3年ぶりだった。 最悪のニュースを聞いた日の翌日、駅で父と待ち合わせをした。改札から出てきた父は、記憶よりもずっと小さなおじいさんになっていた。 実家通いもそろそろ3年になる。進学で家を出てから、こんなに父と話したことはなかった。 父は来年80歳。 時の経過とともに父にもさまざまな変化が起こっている。父の言...
都会と田舎の二拠点で生活する「デュアルライフ」 「デュアルライフ」や「二拠点生活」と呼ばれる新しいライフスタイルが注目されている。「普段は都会で仕事をして、休日は郊外や地方の家で過ごす生活」をイメージすると分かりやすいだろう。居住に近い形の「拠点」があるのが旅行と違うところだ。 従来は、豪華な別荘が持てる富裕層や、仕事...
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