父、家事と格闘す

父の家事能力はゼロに近かった。
一人暮らしをしたことがなかったし、家事のほぼ全てを母が担ってきたからだ。

母が猛特訓してくれたおかげで、父はなんとか生活できている。
父が秩序を愛し、まめに動くことが苦にならない性格なのも幸いした。


食事作りは当面は免除しよう。
ゆくゆくは、簡単なものでいいから自分で作れるようになってもらいたい。

炊飯は母に教わっているのになぜかサボる。
つい甘やかして私が炊いてしまう。

スーパーや薬局での買い物には慣れてきた。
買い物をお願いするとたいていは正解の品を買ってくる。
近所で手に入らないものは私が取り寄せて実家に持っていく。

洗濯は、普段着とタオルはあっさりマスター。
おしゃれ着洗いでセーターも洗って平干ししている。
クリーニングの出し方も覚えた。
今は寝具やカーテンまで自分で洗うようになった。

アイロンがけの必要なものはほとんど着ない。
通販番組でおなじみのハンディースチームアイロンを父のために母が買ったが、使いこなせないでいる。
お年寄りこそ小ぎれいでいた方がいい。
ノーアイロンの服を買ってあげようと思っている。

掃除機かけは苦手だった。
しかし軽くて小回りのきく新型のコードレス掃除機を買ったら、それはそれは気に入り、まめに掃除してごみ受けの手入れまでするようになった。

掃除機は東芝の「トルネオコードレス」
食器棚にスタンドをつけてしまった!存在感といったら。

いつも家はこざっぱりと整っている。
ベランダの水拭きもする。
梅雨の季節にはカビの掃除までしてくれる。

腰への負荷や転倒の危険性を考えて、大掃除は皆で手伝っている。
ルームクリーニングを頼むことも検討しよう。

ごみの分別はパーフェクト。
母のやり方を忠実に守っている。
洗った食品トレーは乾かし、生ごみは新聞紙に包む。
収集カレンダーを指さし確認して、朝いちばんに捨てに行く。

ゴミ収集予定カレンダー

近所の人とは挨拶を交わす。
清掃活動にも積極的に参加している。
マンションの管理組合の活動をしていたので顔が広い。

几帳面な性格なので、家や資産の管理は全く問題なし。

光熱費は母が全て口座引き落としにしてくれていた。
新聞とダスキンは集金があるけれど、母のシステムどおり、前もっておつりの出ないように準備している。

新聞代を入れる封筒
集金が近くなると食器棚の上に袋が置かれる。

料理以外の家事は思った以上に頑張っている。
できすぎなくらいだ。

「女性の作業量というのは大変なものだなぁ」と感心して父は言うけれど、EXILEみたいな若い男の子も立派にやっているよ。
父の中の昭和の感覚が進歩の妨げになっている。

とはいえ、これほど父が家事をやってのけるとは想定外だった。
いくつになっても、新しいことはやってみればそれなりにできるようになるのだ。

父のがんばりは母に対する尊敬の証でもある。
母のシステムを守ることが、父が母と最後に約束したこと。

これからもゆるやかに見守っていこう。

みんなままのおかげね。
ありがとう。


(つづき:料理編はこちら)

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