たけのこラストスパート「真竹(マダケ)」の研究|コクのある味付けでうまみが活きる

私の街の直売所にたけのこがいちばん多く並ぶ時期は、実は梅雨時である。
春の孟宗竹(モウソウチク)が終わり、淡竹(ハチク)の短いシーズンが過ぎると、梅雨明けまでずっと真竹(マダケ)が台に積まれる。

スーパーの店頭に並ぶことはほとんどないので、ご存知ない方もいらっしゃるだろう。
孟宗竹より割安感があり、お得なたけのこだ。

真竹を料理するのは今年で2年目。
昨年はよくわからないまま無難に食べきってしまった。
今年はもっと真竹のことが知りたい。

もくじ

細工用としておなじみの真竹

日本の竹の約9割は3種類の竹(日本三大有用竹)によって占められている。

  • 孟宗竹(モウソウチク):20%
  • 真竹(マダケ):60%
  • 淡竹(ハチク):10%

食用の「たけのこ」と聞いて一般的にイメージされるのは孟宗竹だ。

真竹は青森を北限とした日本各地で古くから栽培されている。

竹は節の部分がやわらかく、弾力性があるので、建築資材や竹細工などに利用されている。また、竹の皮には黒褐色の斑点があり、無毛できれいな皮なので、肉やおにぎり、中華ちまきといった食料品の包装にも使われている。

たけのこはやわらかく、ほのかな苦味があるので「苦竹」とも呼ばれる。
近所のスーパーでは見たことがないので、出荷量は多くないのだろう。

参考東洋竹工株式会社「竹について」

参考農林水産省「aff 特集1 竹のおはなし(2)」

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あくが少なく下ごしらえは簡単

真竹
丈は長いが孟宗竹より細くすらっとしている。

直売所では様々な大きさの真竹が売られていた。
孟宗竹ほど大型のものは少なく、ごぼうのように細いものもあった。
私の購入した真竹は中くらいのサイズで、3本で500円ほど

採れたてで新鮮な真竹にはほどんどえぐみがないためあく抜きは不要で、ゆでる場合もぬかと唐辛子(鷹の爪)はいらないと言われるが、私はたけのこのえぐみが苦手なので、ぬかの代わりの生米を入れて短い時間で下ゆでをした。

たけのこは収穫から時間が経過するにつれえぐみが強くなり硬くなる
「湯をわかしてから掘りに行け」とも言われる。なるべく早く下ごしらえすることがおいしく食べるポイントだ。

今回は、朝採りの真竹を購入して昼過ぎから下ゆでを始めた。

真竹
皮を剥いて鍋に入る大きさにカット。

淡竹と同様、真竹も皮を剥いて下ゆでする
長いものを購入したので、鍋に入る大きさにカットした。

今回も下ゆでにシャトルシェフを使った。
シャトルシェフは普段から大活躍している。購入を考えている方には、おでんとたけのこのために大きめのサイズをおすすめする。

下ゆではわずか20分!

過去の記録と調べた情報を参考に、自己流で下記のように下ゆでした。
真竹はやわらかくえぐみが少ないので驚くほどゆで時間が短くて済む

  • 調理鍋にたけのこと水、生米(ぬかの代用)を入れ、たけのこが浮き上がらないようにキッチンペーパーや清潔なふきんをかぶせ(それでも浮くなら落しぶたも乗せて)、フタをしないで中火にかける。
  • 沸とうしたら保温容器に入れ、20分保温する(竹串がスッと通ったらOK)。
  • 保温容器から調理鍋を取り出し、たけのこをゆで汁に入れたまま冷ます
真竹の下ゆで
たけのこが浮くのでキッチンペーパーをかぶせた。

たけのこをシャトルシェフで下ゆでする方法については下記のサイトにも情報が掲載されている。

参考サーモス「シャトルシェフレシピ 若竹煮」(ページ下部:たけのこのあく抜きの方法)

真竹

水を入れた容器に入れて冷蔵庫に入れると数日間保存することができる。
時間が経つと味と香りが落ちるので、なるべく早めに食べ切りたい。

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短いゆで時間でもやわらかくなり、えぐみも感じられない。
しかし、真竹の特徴であるうっすらとした苦みが残っている。

出汁を使った繊細な味の炊き込みご飯と相性が良いか自信がない。
真竹ならではの調理法はないか、探してみることにした。

第1弾:メンマの「上位互換」!?定番「真竹の煮物」

真竹のレシピを探していて見つかったのが神奈川県の情報。
出汁としょうゆ、みりん、昆布を加え、汁がなくなるまで煮詰める。

参考「農産物の上手な利用法(マダケタケノコの煮物の作り方)」

真竹

このレシピは大当たりだった。
しっかりした味が真竹の苦みをプラスに変える。
淡竹ほど淡白でデリケートな味なら調味料の濃さに負けてしまうが、真竹ならうまく調和する。

昆布のうまみが決め手なので必ず入れてほしい。

真竹の煮物

「メンマの上位互換」と同居人に大好評。
ごはんのお供にぴったりの一品ができた。

※メンマの材料は「麻竹(マチク)」

第2弾:ひき肉あんでお酒もすすむ「真竹のピリ辛肉みそ炒め」

コクのある味が合うなら、炒め物にもきっとぴったりだろう。

私の大好きな料理家の一人、スガさんのサイトに真竹に合いそうなレシピを発見。

参考週末の作り置きレシピ「たけのこのピリ辛肉みそ炒め」

スガさんのレシピは、家の中にある材料を使って新鮮な組み合わせを生み出すので驚きがある。

豚ひき肉を炒め、ゆでたけのこを加え、調味料で炒り煮する料理でさっと作れるが、にんにくとしょうが、ごま油、豆板醤の効いた味噌の味付けが思いがけなく本格的で、「上品な中華料理店の一品」のよう。

真竹とひき肉のピリ辛炒め

ご飯の上にのせてもいいし、とろみを強くつけてお弁当のおかずにしても喜ばれるだろう。
ピリ辛味はビールやレモンハイにももちろん合う。

この料理から餃子のタネを連想した。次は「たけのこ餃子」を作ろう。
春雨を入れたら濃い味の汁を吸ってきっとおいしい。
ピロシキもいいかもしれない。カレーにも合うらしい!

コクのある味付けを受け止める真竹のポテンシャル

3本あった真竹は上記の2品で食べきってしまった。

今年は真竹のことを少し理解できたような気がする。
いつまでも残るほのかな苦みに戸惑ったが、しっかりした濃い味が加わるとコクとうまみに変身する

優等生の孟宗竹やスマートな淡竹に比べると、真竹は一見とっつきにくく個性的。

しかし、濃い味付けには本領を発揮。安くて、下ごしらえが短時間で済み、やわらかくて味がいい。実にお得なたけのこではないだろうか。

来年また出会えるまでにもっとレシピを研究しておこう。
真竹、ポテンシャルを感じる…!

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