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梅酒

梅酒づくりが私の趣味で、15年以上続けている。
段取りと衛生面のポイントを押さえれば、あとは待つだけでおいしいお酒が楽しめるいい趣味だ。

最近、梅酒以外の果実酒にチャレンジしている。
基本的な手順は同じようだがそれぞれコツがあるようだ。模索は続く。

もうすぐ青梅が出回る季節。
今年の梅仕事を始める前に、果実酒づくりに共通する基本のメソッドと情報をおさらいしておきたい。

基本をしっかり確認して、果実酒づくりもレベルアップ!

基礎知識

果実酒と酒税法

「果実酒」とは酒税法による酒の分類の一つで、果実を原料として発酵させたものと規定されている。

したがって、酒に果実を漬け込んでエキスを抽出する梅酒のようなものは酒税法上の「果実酒」ではない(「リキュール」となる)が、このブログでは一般的な呼び方にならって「果実酒」と呼ぶことにする。


自分で飲むために作る梅酒などは、酒税法上の例外として作ることが認められている。

ただし、下記の点に注意すること。

アルコール度数

漬け込みに使う酒はアルコール分20度以上のもので、かつ酒税が課税済みのものに限る。

日本酒で作る場合は度数に注意。梅酒用日本酒など度数が高いものを選ぶ。
みりんやワインなど、20度を超えない酒で作ることは自家用であっても違法となる。

漬け込み禁止の食品

下記は酒税法により漬け込みが禁止されている。

  • ぶどう(やまぶどうを含む)
  • 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
  • アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす
  • 酒類

特にぶどうに注意。

参考国税庁「自家醸造」

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手順

果実酒づくりの標準的な手順を列記すると下記のようになる。

  • 材料と道具の準備
  • 瓶の洗浄/消毒/乾燥

(瓶の準備と同時進行で果物の準備をすることが多い)

  • 果物をよく洗う
  • 下処理(梅のアク抜き、果実の皮むきなど)
  • 水気をしっかり拭き取る/乾燥させる
  • 果物と砂糖を交互に瓶の中に入れる
  • 酒を注いで密封する
  • 冷暗所に保存

(砂糖が底に残るときはときどき瓶を揺すって撹拌する)

  • 皮の取り出し(柑橘類など)
  • 実の取り出し

皮や実の取り出しのタイミングや飲み頃は果物によって違うのでレシピを参照のこと。

道具について

瓶の選び方

泡盛梅酒

「酒の量の2倍くらいの大きさの保存容器(広口瓶・密封瓶など)」が基本。

瓶が大きすぎると空気に触れる量が増えるので保存性がやや低下する。
手を入れて洗いやすく、お玉やレードルが入り、実を取り出しやすい、広口の密封できる瓶がいい。
熱や酸に強く空気を通さないガラス製がおすすめ。

ガラスの種類により耐熱性や強度などの特性が異なるので確認すること。

果実酒用の瓶の多くは耐熱ガラスではない「ソーダガラス」製で、急激な温度差と強い衝撃に弱い
鍋に入れて水から徐々に沸かす「煮沸消毒」は可能だが、熱湯を直接かける「熱湯消毒」をすると破損する恐れがある

参考cotogoto「使い方、お手入れ手帖 ガラス」

瓶の消毒について

長期保存中の雑菌の繁殖を防ぐため、瓶は使う前に洗剤でよく洗い、消毒して、しっかり乾燥させること。

消毒の方法は主に2種類ある。

煮沸消毒

鍋に入るサイズの瓶は煮沸消毒ができるとベスト。

参考無印良品「果実酒用ビンやソーダガラス密封ビンの煮沸消毒の方法」

アルコール消毒

大きな瓶の場合は、洗剤でよく洗い、乾燥させたあと、食品用アルコールやホワイトリカーで容器の内側や口元などを拭いて消毒する
キッチンペーパーや清潔なふきんなどを使用すること。

瓶のアルコール消毒

おすすめの瓶

青梅の出まわる季節には品薄になることがあるので、早めの入手をおすすめする。

セラーメイトの「密封びん」

参考星硝株式会社「密封びん」

とてもしっかりした作りで、瓶、パーツの全てが日本製

瓶はにおい移りがないソーダガラス、金具は強くて錆びにくい18-8ステンレス、パッキンはシリコンゴム製。
煮沸消毒が可能(耐熱ガラス製ではないので熱湯をかけることはできない)。
パーツ類はすべて外せるので清潔に使うことができる。
シリコンパッキンは交換パーツの取り寄せが可能。

取っ手がしっかりしていて、中身の入った重い瓶を持ち運ぶときに安心感がある。

セラーメイトの密封びん
金具はステンレス。太さのある取っ手が使いやすい。
セラーメイトの密封びん
シリコンゴムのパッキンで漏れなく密封。
セラーメイトの密封びん
リング金具で発酵による内部のガスを外に逃がす。
セラーメイトの密封びん
パーツは全て外して洗浄できる。
セラーメイト 密閉びん 替パッキン
別売の交換用パッキンは5サイズの瓶で共通のパーツ。

果実酒の季節(瓶入り)

一言で説明すると、「そのまま漬け込みに使える瓶入りのホワイトリカー」

面倒な瓶の洗浄、消毒、乾燥が不要
洗って水気を拭き取った果物と砂糖を入れるだけなので、あっという間に作業が終わってしまう

サイズは3種類。

梅1kgが入る「果実酒の季節 1.8L(4.5L広口びん)」は店頭であまり見かけないので通販で取り寄せておこう。

「果実酒の季節 900ml(1.8Lデカンタ)」はスーパーに並んでいることも多い。
中蓋にはそのままグラスに注げる「注ぎ口」がついていて便利。
持ち手があるのも安心感がある。

果実酒の季節デカンタ
注ぎ口を引き上げて回転させると瓶から直接液体をグラスに注げる。

小さいサイズの「果実酒の季節 mini 220ml」(瓶の容量450ml)はスパイス酒やさくらんぼ酒など、少ない量で作る場合に手軽に始められる。

移し替え用の瓶:セラーメイトの「ワンプッシュ便利びん」

飲み頃になった梅酒を小さな瓶に移し替えておくと、大きな瓶を都度開けずに済むので楽だ。新しい瓶を検討しているが、セラーメイトの「ワンプッシュ便利びん」が購入候補。

参考星硝株式会社「便利びん」

「密封びん」と同じ、日本製、ソーダガラス・18-8ステンレス・シリコン製、全パーツ取り外して洗浄が可能

注ぎやすく液切れが良い注ぎ口がついている。

材料について

果物の選び方

梅はキズの少ないものを

梅の場合はなるべく「熟しすぎていないキズの少ないもの」を選ぶ。
液がしみ出るような大きなキズは濁りの原因になる。

不揃いの果実で気軽に楽しむ

皮を剥いて使う柑橘類などは不揃いなものやキズのついたものでも全く問題ない。
格安なB品を見つけたら是非果実酒を作ってみよう。

皮の取り出し

果物の皮

柑橘の果実酒の場合、香りや風味をつけるために皮を果肉と一緒に漬け込む場合がある。

長く漬けすぎると渋みや苦みが出るので、レシピで指定された時間で引き上げるのを忘れないように。

砂糖について

なぜ砂糖を入れるのか

果実のエキス分を十分に引き出し、雑菌の繁殖を防いで長期保存できるようにすることが目的。

砂糖を入れなくても果実酒を作ることはできる。
ただし、量が少ないと果実のエキスの抽出に時間がかかり、保存性もやや低くなる

何年も保存するような場合、35度以上のアルコールを使うか、レシピで指定された量の砂糖を使うと安心だ。
甘さを控えめにしたときは早めに飲み切ってしまおう。

基本は氷砂糖

果実酒作りに氷砂糖が使われるのは「ゆっくり溶ける」からだ。

なぜ梅酒を作る時に、上白糖やグラニュ糖ではなく氷砂糖を使うのでしょうか。

じつは、氷砂糖の「溶けにくさ」を利用しているのです。

梅酒を作りたての時は、外液よりも実のエキスが濃いため、梅の実に水分とアルコールが移動します。そして時間が経つと、砂糖のかたまりである氷砂糖から少しずつ砂糖が溶け出し、梅の実よりも外液の方が糖の濃度が高くなるので、徐々に梅の実から水分とアルコールが出ていきます。この水分とアルコールに梅の風味が移っているので、コクのあるおいしい梅酒になります

株式会社パールエース「漬物や梅酒をおいしくする 浸透圧と砂糖の関係」

浸透圧を利用してじっくりと梅のエキスを引き出すことでまろやかな味に仕上がる。
また、梅の実にしわがよりにくくなる。

純度の高い砂糖なので、味にクセがなく果物本来の味が生きる
黒糖のように色が付いていないので、色もきれいに仕上がる。

個性的な砂糖いろいろ

はちみつ、黒糖、きび砂糖、てんさい糖など、いろいろな砂糖で果実酒を作ることができる。

砂糖の種類によって甘みや比重が異なるので、レシピと異なる砂糖を使うときは分量に注意。迷ったら少なめの量で作って様子を見る。

【はちみつの分量について】

はちみつは砂糖より甘みを感じやすい(甘味度の違い)。
量(かさ)で比べると、砂糖の1/3のはちみつで同じ甘さになる。

ところが砂糖とはちみつは比重が違う
例えば白砂糖(上白糖)で比べると、大さじ1の白砂糖は9gなのに対し、はちみつは21gもある。
果実酒のレシピでは砂糖の量は重さで書かれているので、結局どのくらいの量を入れればいいのかわからなくなってしまう。

結論としては
砂糖の重さ(g)÷1.3=はちみつの重さ(g) なので
計算すると砂糖の76.9%
よって、砂糖の7~8割の重さのはちみつを入れればいいということになる。

ただし、レシピで分量が書かれているのは上白糖より純度の高い氷砂糖が多いので、厳密には氷砂糖と上白糖の違いを考慮することになり…。
甘さは飲むときに足すことができるので、控えめに入れてみるのが無難なように思う。

参考KOMAYA OFFICIAL BLOG(駒屋)「知っておくと便利!代わりにハチミツを使うときの計算方法」

瓶の底に溶け残る場合は、保存中にときどき軽く瓶をゆすって撹拌する
実を傷つけないように注意すること。

梅酒
底に砂糖が残っているときはそっと揺すって撹拌する。

アルコール度数

アルコール度数が高いほど雑菌の繁殖を防ぐ効果が高い。
ホワイトリカーなど、35度以上の酒がベストだ。

25~30度でも作ることはできるが保存性が下がる(20度以下は違法となるので注意)。
長期保存をする場合はホワイトリカーなどを使った方がいい。

果実から出る水分により仕上がりのアルコール度数は低くなる。
水分の多いフルーツを使うときは考慮に入れること。

焼酎、泡盛、ブランデー、ジン、ウォッカ、ウイスキーなど、いろいろな酒で作ってみよう。

ブランデー梅酒
少し甘めに作ったブランデー梅酒はロックがおいしい。

保存について

直射日光の当たらない冷暗所で保存する。

果実酒と空気

果実などが浮かんで空気に触れると変色することがある。
浮かびやすい素材はラップを丸めたものを壜の空洞部に入れ、素材を沈めるといい。

酒がなるべく空気に触れないようにする。
中身を出すとき蓋はすぐ閉めるように。開けっ放しは厳禁。

瓶の中身が減った場合は小さめの瓶に移し替えた方がいい。

「冷暗所」とは

冷蔵庫に入れることではない。

直射日光が当たらない、温度が一定に保たれた涼しい場所を指す。
「外気温の変化と同じ」で「人間が普通に生活できる温度」の場所。

失敗するとどうなるの?

いちばんの失敗は「カビの発生」

基本を守ること。
しっかり洗い、消毒し、乾燥させる。

取り出しに使う箸やお玉もしっかり消毒する。

迷ったらアルコール度数の高い酒を使うか、砂糖を多めにして保存性を上げる。

私は2年以内に飲み切ってしまうこともあり、これまで梅酒づくりで大きな失敗をしたことはない。
梅酒は初心者にも作りやすく、おすすめだ。

「酸っぱい」場合は発酵してしまっている。
アルコール度数の高い酒を使うことで防止できる。
(発酵させると酒税法に違反する)

「濁り」は失敗ではない。
気になるようならガーゼやキッチンペーパーなどで濾して他の瓶に移し替える。

その他:小ワザいろいろ

作業の記録

材料と分量、作った日を記録しておくと翌年以降に参考になる。
ラベルに書いて瓶に貼る人が多い。

私はTwitterで記録を残すようにしている。
エゴサーチ(私の場合は「from:keroyama_ 梅酒」 など)で一覧できるので便利だ。

皮と実の取り出しを忘れてしまいがちなので、カレンダーなどにメモをしておこう。

楽しみ方いろいろ、料理やデザートにも

取り出した実はそのまま食べるほか、ジャムや料理、パウンドケーキなどの菓子作りにも使える。
ブランデーで作った果実酒をアイスクリームやヨーグルトにたらすのもおすすめ。


今後も随時、この記事に新しい情報を追加していく。

基本を守れば意外にハードルは低い。
いろいろな材料を使って果実酒のある生活を楽しもう。

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