仕事や人間関係などのストレスでぐったりする日や、不安で心がいっぱいの日。そんなときにはどんな気分転換をするだろうか?
ストレスを和らげるための「(ストレス)コーピング」という技術がある。個人の認知の方法に働きかけて感情などに変化をもたらし、ストレスに対処する力を向上させる「認知行動療法」を応用したものだ(詳しくはこの記事下部のリンク先をご参照ください)。
その中で「100のコーピングリスト(気晴らしリスト)」を作るという作業がある。心が楽になることをリストアップ(コーピングレパートリー)し、ストレスを受けたときに見て実行するためのものだ。
ブレストやリストアップが大好きな私。数年前からこの「気晴らしリスト」を作り始め、少しずつ項目を増やしている。スマートフォンのメモに入れておいて、たまに読むのが密かな楽しみだ。
もくじ
ストレスを和らげる「コーピング」と「気晴らし」
コーピングとは「適切に対処する」という意味で、「ストレス対処」のこと。心が軽くなるような対策をリスト化し、実行する。(中略)
NIKKEI STYLE「くよくよ癖を今すぐ脱出 心がラクになる100のリスト」
ストレスを感じたら即実行に移すのが効果を高めるポイント。リストはバッグに携帯し、いつでも見られるようにするといい。「『いつでも、どこででもコーピング』を習慣化することで、ストレス耐性もついてきます」。
気分が落ち込んだときに元気になったり、不安なときに気持ちが和らいだりすることを思い浮かべて、具体的な行動として書き出す。目標は100個。「負の感情も“不安”“恐怖”など、その中身はさまざま。アクションをたくさん用意しておくことで、その時々の嫌な気分に、よりフィットした発想の転換が期待できます」。
・ストレスを感じていないとき、元気なときに書き出す。
NIKKEI STYLE「くよくよ癖を今すぐ脱出 心がラクになる100のリスト」
・人名、品名、ブランド名など、具体的な名称を入れる。
・具体的な行動に移せるものをピックアップ。
・まずは趣味や特技を生かしたことを積極的に書き出す。
・なるべく時間とお金をかけないものにする。
・1度効果がなくても、削除しないで残す。
・項目はどんどん増やしていく。更新ではなく「追加」の要領で。
・したいこと、自分への言葉がけも積極的に入れていく。
いつでもコーピングリストを見られるようにして、ストレスを感じたら即実行に移す。なるべく「すぐできる」「簡単にできる」ことを多く選ぶといざという時に取り入れやすいだろう。
書き方にとらわれず、まずは軽い気持ちで書き出してみよう。
詳しい説明はまた改めて。まずは私の「100のコーピングリスト(気晴らしリスト)」をご覧ください!
私の「100のコーピングリスト」
食べ物・飲み物 (18)
- よく冷えたビールを飲む
- よく冷えたレモンハイを飲む
- カルディで白ワインとおつまみを調達して昼から飲む
- 豆を挽いて淹れたコーヒーをゆっくり飲む
- ミルク入りのインスタントコーヒーを飲む
- 歩きながらアイスコーヒーを飲む
- 温かいマサラチャイを飲む
- ホット豆乳を飲む
- にんじんジュースを飲む(キンミヤを入れても良し)
- ベリーのケーキを食べる
- チョコレートを食べる
- マカロニグラタンを食べる
- トムヤムラーメンを食べる
- じゃがりこを食べる
- 体にいい食事を取る
- 人の作ったごはんを食べる
- アミノバイタルを飲む
- 漢方を飲む
なんと食いしん坊の私…アルコールとカフェインと糖質、弱った脳にビリビリ効く!
過剰な摂取は依存症や体重増加などの良くない結果につながる。あくまで一時的な対処法として取り入れたい。
サプリメントのストレスへの効果は諸説あるが、私が使用しているのは「アミノバイタル」と「フィッシュオイル(DHA/EPA)」。健康への影響などをよく確認したうえで慎重に取り入れたい。ご参考まで。
自然 (8)
- 太陽の光を浴びる
- 外の空気を思いっきり吸う
- 鳥の声を聴く
- 花を飾って眺める
- 植物の世話をする
- 花を眺めながら散歩する
- 緑がいっぱいの場所で過ごす
- 水辺でぼーっとする
澄んだ空気の匂い、風で揺れる樹々、遠くから聞こえるせせらぎ。自然の音の「ゆらぎ」に包まれて過ごす「なにもしない時間」を心が求めるときがある。
とりわけ好きなのが「水がたふたふした場所」。実家近くに秘密のスポットを発見し、心のお守りにしている。辛いことがあったら行くことができる場所があるだけでほっとする。
休息 (15)
- 楽な服に着替える
- すっぴんメガネで過ごす
- 深呼吸をする
- 耳栓をする
- テレビを消す
- スマートフォンを遠ざける
- 脱力する
- 昼寝する
- 早い時間に寝てしまう
- 布団の中でだらだらする
- だれもいない場所へ行く
- ビジネスホテルに泊まる
- 用事をキャンセルする
- 大泣きする
- 小声で悪態をつく
本当につらいときは「感覚のスイッチを切る」ことが多い。日常に溢れている光や音で思いがけなく消耗していることに気付く。刺激を遮断してひたすら静かに過ごすと早く回復するように感じる。
リラックス (13)
- ストレッチをする
- ハグする
- マッサージを受ける
- ハンドマッサージと爪揉みをする
- 頭皮のマッサージをする
- アロマオイルを炊く
- あずきのチカラで首を温める
- 目薬をさす
- 目の体操をする
- 遠くを見て目を休める
- 香りのいい入浴剤を入れてお風呂に入る
- 念入りに歯みがきをする
- 高級なパックをする
ストレスが溜まると、普段は面倒に感じているスキンケアを念入りにしたくなったりして、まったく不思議なものだ。肌もきれいになるのだからいいことづくめ。
マッサージは質の良い睡眠や肩こりの解消にもつながる。特に頭のマッサージは血流が良くなるからか即効性を感じる。自分でできるマッサージだけでも積極的に取り入れたい。
気分を変えたいときにアロマディフューザーを使っている。柑橘系のブレンドオイルはさっぱりした香りで使いやすい。大きなストレスを受けて心が打ちひしがれているようなときはゼラニウムの登場…。
ディフューザーなしで使えるロールオンアロマも愛用。何かを始めるときに手首にオイルを塗ってさっと気持ちを切り替える。ニールズヤードレメディーズの「アロマパルス」、この「スタディー」はハーバルな香り。
音楽・本・メディア (17)
- 静かな音楽を聴く(チェロやクラシックギターが好き)
- 昔好きだった曲を聴く
- 自然の音や環境音楽を聴く(雨音、波の音)
- カラオケの練習をする
- 踊る
- あてもなくYouTubeを見続ける
- 本屋で立ち読みする
- 本屋で好きな本を買う
- 図書館で本を借りる
- 心理学や人生相談のコラムを読む
- 洋裁の本を読む
- 旅行の本を読む
- 軽い小説やエッセイを読む
- 雑誌のダイエット特集号を読む
- 収納の本を読む
- dマガジンやKindle Unlimitedなどで興味のある本を読みまくる
- デジタル関連のテキストを読む
静かな音を聴くと心が休まる。チェロの重い音、雨の音、波の音など、音に浸ってそのまま眠ってしまうことも多い。
リラックス向けの音楽が聴けるアプリも利用している(無料版あり)。「リラックス」「ストレス軽減」「深い睡眠」などをテーマにした音楽に、雨の音などの自然音と、ヒーリング効果があると言われる「バイノーラルビート」を好みのボリュームで重ねて聴くことができる。
「バイノーラルビート」については諸説あるが、まったりした気分になって気持ちがいいので聴いている。
本を読んだり、動画を見たり、能動的に刺激を取り入れたい段階までたどり着けたらかなり元気になっている。本を読めるのは頭が暇を感じているサイン。笑えるエッセイなど、こんなときに読む本を普段から「ほしいものリスト」にストックしておく。
ダイエットや節約の本を読むと、何もしていないのにすっきりした気持ちになるのはなぜだろう…?
家の中でできること (17)
- 気になることを書き出す
- 最悪の場合に何が起こるかを考える
- やりたいことリストを更新する
- 引っ越し計画リストを更新する
- 買い物計画リストを更新する
- 空気の入れ替えをする
- 室内の目立つものを片付ける
- デスクを整頓する
- 拭き掃除をする
- 財布やバッグの中を整理する
- トイレを掃除する
- Twitterをチェックする
- 過去のツイートを読み返す
- ブログのネタを書き溜める
- ブログの過去記事を読み返す
- アルバムを見る
- ネットショッピングする
リストアップは心に効く。リストを集中して作るだけでもストレスが軽くなる。胸に詰まった心配ごとをみんな書き出してしまうと、自分がイメージしていたより少ないこともあって安心する。考えているうちに良いアイデアを思いついて、楽しいことの計画が始まったり…。私のリストを例にして、軽い気持ちで作ってみてほしい。
「最悪の場合」を考えるのは怖いことだが、たいていは「大したことは起こらない」「お金で解決する」「人に助けてもらえる」と、漠然とした不安を和らげる現実的な答えが見つかるものだ。
「しないことリスト」作りにもチャレンジ。
知らず知らずのうちに自分を縛っていたたくさんのことを発見して、心が軽くなった!
外に出てアクティブに (18)
- 猫と触れ合う
- スーパー銭湯で半日過ごす
- 髪を切りに行く
- 1人で飲みに行く
- 2人で飲みに行く
- カフェに行って考えごとをする
- さっぱりした友人と雑談をする
- 芝生の上でカレーを食べる
- 高い所に登る
- いつもと違う街に行く
- 近所の神社へ行く
- 空いている美術館でじっくり作品を鑑賞する
- 10,000歩ウォーキングする
- 自転車に乗る
- 東急ハンズをうろうろする
- デパ地下をうろうろする
- 物産ショップをうろうろする
- 何かを新調する
復活間近、仕上げの段階。体を動かして「下界」の刺激を受けると脳がよく動く感じがする!
人と会うのはエネルギーのいることだが、信頼できる人とはただ一緒にいるだけでも気持ちが安らぐし、話している間は嫌なことを忘れられる。お互いにそんな存在でいられる相手がいれば、それは幸せなことだ。
振り返ってみて
やった、100個を超えた!
自分が本当にリラックスできること、楽しい気分になれることをリストアップしようとすると、一度にはなかなか出てこなかった。しかし、コーピングリストに気晴らしのプランを並べていくと、自然に心が落ち着いて安心した。リストを作るプロセス自体に「セラピー効果」があるように感じる。
こうして書き出してみると、私のコーピングリストは自分ひとり、もしくはパートナーと2人ですることばかりで、どちらかというと「わいわい集まって飲みに行く」といった積極的な行動より、静かに過ごす「passive」な気晴らしが好きなようだ。「人を巻き込まない」「自分で完結できる」ことはすぐに実現できる可能性がより高く、生活に取り入れやすい。
実際に、強いストレスを受けてエネルギーが落ちたときは、何か食べてそのまま寝てしまうことが多い。何の制約もなく自由に行動できるのなら「誰もいない静かな何もない場所で一人で寝る」ことを選ぶだろう。
私の場合、気分の切り替えには「そのまま寝てしまう」などのハードルの低い作業が効く。外出したり、本を何冊も読んだりするなど、前向きなアクションができるようになるのは元気が戻ってきたサインだ。
あなたのリストにはどんな楽しい気晴らしが並ぶだろうか?
「100のコーピングリスト」をお守りにして、ストレスに強いしなやかな心を育てていこう。
参考にした情報
「認知的コーピング」と「行動的コーピング」の例、コーピングのコツと注意について。
「コーピング」と「マインドフルネス」の概要。「100のコーピング」の例あり。
「100のリスト」の作り方と例。わかりやすい説明。