「準備をしない」トレーニング

未知のこと、いつもと違うことが苦手だ。

悪い予感やとんでもない失敗の想像で胸がいっぱいになる。
もれなくお腹の調子も悪くなる。
精神のコンディションが悪いと不安が一層強くなる。

子どもの頃よりはましになったけれど、黒いかたまりが喉の奥に詰まる感じは今も変わらない。
専門的なことはわからないが、普段の生活にさほど支障はないのでやり過ごしている。


緊張の対象は実に幅広い。

初めて行く場所、初めて会う人、朝早くの待ち合わせ。
考えただけで具合が悪くなりそうだ。

お店の予約や待ち合わせの時間が間違っていないか。
乗り継ぎはきちんとできるか。
鍵をかけたか。
郵便物の住所や名前、メールの宛名が正しいかどうか。
するべきことを忘れていないか。
必要なものは全部持ったか。

人に何かを任せるなんて本当に心配!


生物として、危険を回避するためにある程度の緊張は必要なものだと思う。
確認することでケアレスミスが減り、つまらないトラブルや面倒な状況を防いでくれる。

ただ、やり過ぎは自分が苦しくなるし、なによりこころが消耗する。

仕事が休みの前には、翌週にすることをメモに取り、週末には忘れるようにしている。
なるべく支度をルーチンに落とし込み、何も考えず自動運転で動くようにしている。


臨床心理士に「物事をコントロールしたい気持ちが強い」「準備をしすぎない練習をするように」と言われ、目から鱗が落ちた。
指さし確認して間違えないようにするのがいいことだと思っていたからだ。

今はなるべく気がかりなことを考えないようにしている。
ここだけはというポイントを押さえてあとは目を閉じる。
確認するのは一回だけ。
人に任せられることはお願いする。
メモやリマインダーなどのツールを活用する。


どうも私は、自分に期待をしすぎているところがある。
完璧な私、うまくやり遂げて称賛される私を想像するのが癖になっている。

その分、人に迷惑をかけたり、見込み通りに物事が進まなかったりすると、ダメージが大きくて立ち直れない。

あれこれ試して心に効いたのは「最悪のときに何が起こるかを考える」ことだ。
「なんだ、3000円の損失だけか。」

主観を離れて自分の力量を評価すること。
大抵うまくできているし、何かあってもなんとかなるよ。

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