冷蔵保存で毎日のかき混ぜ不要!ぬか床づくりのすすめ

きゅうり、なす、みょうが。
ぬか漬けがおいしい野菜の旬を迎えつつある。

母のぬか床を引き継いで、早3年。
よくわからないままなんとなく感覚で手入れをしているが、冷蔵庫保存を組み合わせることでなんとか管理できている。

ぬか床は実家の冷蔵庫に置いてあり、行った時に世話をする。
常温に戻してから1日1回かき回し、帰る時にまた冷蔵庫へ戻す。

毎週2泊3日で実家に行くので、冷蔵庫保存が5日、常温保存・撹拌が2日の繰り返しだ。
冷蔵庫に入れている間はかき混ぜないでしまっておくだけ。

なんとなくぬかを足し、水分を調整して使っているが、果たしてこれで合っているのか?

冷蔵庫で保存するぬか床の取り扱いについて調べてみた。

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もくじ

熟成させてから冷蔵庫へ入れる

私は熟成済みのぬか床を受け継いだが、始めから作る場合は熟成させてから冷蔵庫へ入れる必要があるようだ。

ぬか床を冷蔵庫に入れるということは乳酸菌の活動が穏やかになって漬かりが遅くなるということでもあります。つまり『毎日のように野菜を出し入れする必要がない=混ぜる回数も少なくてよい』状態になるのです。(中略)

ぬか床を冷蔵保管する場合の大前提として『ぬか床がしっかり熟成し、乳酸発酵している状態になってから冷蔵庫へ移す』必要があります(冷蔵庫は乳酸菌の活動が穏やかになる温度帯なので、発酵していないものを入れるのはNGです)。(中略)

ではどのくらい熟成させればいいかというと、ぬか床に適した温度帯の春や秋に作ったものであれば、常温で最低2〜3週間くらいは育てたものが望ましいと思います(あくまで個人的な感覚ですが)。

白ごはん.com「ぬか床の冷蔵庫保管のやり方と注意点」

熟成済みのぬか床でスタートするともっと早く使い始めることができるだろう。

みたけ食品の「発酵ぬかどこ」は雑菌の繁殖を抑える乳酸菌で予め発酵させてあり、かき混ぜは週に1回でいいという便利さで人気の商品。
容器なしで手軽に始められるジッパー袋入りで、常温・冷蔵庫のどちらでも使える。

ぬかが減ったら少量入りパックで補充する。

コーセーフーズの「冷蔵庫で育てる熟成ぬか床」は冷蔵庫専用の熟成済みぬか床だ。
冷蔵保存でおいしく漬かるように植物性乳酸菌を選定したもの。

常温に戻す必要がないのでさらに手軽に管理できる。
そのまま使えるジッパー袋に入った800g入りに加え、コンパクトな容器付きセットが発売された。

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定期的に常温に戻す

毎週ぬか床を常温に戻しているのは正解。乳酸菌の活動を促す効果がある。

それから、ぬか床の冷蔵保管をする間に、できればやりたいのが2週間に1回くらい常温に1〜2日出して、乳酸菌の活動を促すことです。そうすると、適度に乳酸菌が増えて味もよくなるはずです。

白ごはん.com「ぬか床の冷蔵庫保管のやり方と注意点」

冷蔵庫に入れたまま漬ける場合は時間が長くかかるようだ。

常温ぬか床、冷蔵ぬか床で同じ野菜を漬けるとおよそ3〜4倍冷蔵ぬか床のほうが時間がかかるという印象を持っています。

白ごはん.com「ぬか床の冷蔵庫保管のやり方と注意点」

実家に何日か続けて滞在できるときはなるべく常温に出しておくようにしている。
常温で管理している方がぬかが柔らかく、香りも良くなるように感じる

適度に水分を調整(水取り)

水分の管理も正解。

きゅうりなどの水気の多い野菜を漬けるとぬかがゆるくなる。
キッチンペーパーで軽く押さえて余分な水気を取り、いつも同じ硬さに保つようにしている。

ぬか床の水取り

ぬかが少なくなったときや味が薄くなったときは、余分な水気を吸ってから炒りぬかと塩を足し、味と硬さを調整する

足しぬかの量はゆるさに合わせて加減しているが、「味噌くらい」の硬さを目安とすると良いようだ。

簡易的な対処法はゆるくなったらキッチンペーパーなどを上から押さえつけるようにして水気を吸わせるやり方ですが、せっかく野菜から出てきたうまみも吸いとることになるので、できればゆるくなったら「ぬか」と「塩」を足し入れるやり方がよいです。(中略)

※たしぬかをしたときは、乳酸発酵を促すために冷蔵庫保管なら常温に出すことが大切です。

白ごはん.com「ぬか床の手入れや管理についてのQ&A」

Q. ぬか床が水っぽく、柔らかくなったらどうするの?

A. 何度か漬けていると野菜から水が出て、ぬか床が柔らかく水っぽくなってきます。かき混ぜるときにベチャベチャしたり、表面のくぼみに水が溜まってきたりする状態だと、かき混ぜていても空気が全体に入りにくくなり、悪い菌が生えやすくなります。まず溜まった水分をキッチンペーパーなどで吸い取ります。
全体的にぬか床がゆるくなっている場合は、炒りぬかを足して、味噌くらいの硬さに調節して下さい。
炒りぬかを足す量は、一握り~200ccの計量カップ1杯程度です。 

山形 味の農園「ぬか漬けづくりのコツQ&A」

ぬか床の「水取り」については他にもいくつか方法がある。

  • ぬか床の隅に窪みを作って水を溜める
  • ぬか床の底に昆布を敷く(昆布はぬか漬けとして食べられる)
  • 水取り専用のグッズを使用する

ぬか床の大きさと漬ける野菜の水分量によって方法を選ぶと良さそうだ。

私の場合は小さめのぬか床を使い、1回にきゅうり1本を漬ける。
容器の拭き取りを含め、キッチンペーパー1~2枚を使用する。

「ぬかとっくり」はぬか床の中に埋めて発酵の力で水を取る。小は冷蔵庫用サイズ。
ぬか床の水分が多い場合、こんなグッズが便利だろう。

減ったぬかを補充する

コーセーフーズ ぬかづけの素で足しぬか
塩入りのぬかをぬか床に混ぜ入れる。ときどき専用のからしも入れる。

ぬかが減ってきたときはぬかと塩を混ぜ入れて補充する。

私は塩入りのぬかを使っている。
水を加えてぬか床を作るためのものだが、補充用にも使える。
スーパーなどで200円程度で販売されている。

写真の商品は、米ぬかに塩、唐辛子、調味料、炭酸カルシウムを入れたもので、薄くなった味の調整もできる。ぬか床をかき混ぜたときにひとつかみ混ぜ入れるだけでいいので楽だ。

だしの材料でうまみを加える

昆布、干し椎茸、煮干しなどをぬかに入れるとうまみが増すようだ。
2~10日間漬け込んだ後に取り出しが必要。

ぬか床の水分を取りつつ、なおかつ旨味をアップさせてくれる画期的な漬け材料があります。それは「干し椎茸」です。
漬け込み時間は2日~10日間くらいが良いかと思います。ぬか床の旨味成分が増え、塩あたりもまろやかになります。(中略)

かりかりの干ししいたけはぬか床の余分な水分をすって、ふっくらとなります。干ししいたけはそのまま食べるととても塩辛いので、洗ってぬかを落とした後、刻んでチャーハンや焼きうどん、野菜炒めの具にします。とってもおいしいですよ。

つけもの大学(厚生産業)「お漬物Q&A ぬか漬について」

基本的に入れた後に取り出せるものであれば入れてもいいです。昆布、干し椎茸、煮干しを加えると旨味が出ます。
ただし、入れっぱなしだと腐敗する恐れがありますので、取り出すことを忘れないようにしてください。また、唐辛子や山椒の実等の香辛料を入れると雑菌の生育を抑えることが出来ます。香辛料は水分が少ないため、取り出さなくても大丈夫です。生姜やニンニク等の香りが強い野菜を入れると香りをつけることが出来ます。ぬか床に香りが残るのでご注意ください。

東海つけもの「ぬか漬Q&A」

私はぬか床用のからしミックスを使っている。
からし、卵殻、陳皮、唐辛子、山椒が入っていて、風味が良くなり、防虫、防腐の効果もある。

ぬか床の寿命

コンディションが良いぬか床はずっと使っても問題ない
においがしてもある程度は元に戻すことができる。

ぬか床は半永久的に使えます。親から子へ、孫へと100年以上も受け継がれているぬか床もあります。
変なにおいがしたり、味が落ちたりしても慌てて捨てないで。ぬか床を半分ぐらい捨てて、新しいぬかと塩を足してあげれば、微生物たちが一生懸命働いて復活します。
長い間放置してしまいカビだらけになった、異臭がひどくて食べられない…というような場合を除いて、捨てたり、作り替える必要はありません。
長く漬ければ漬けるほどぬか床も安定して味もよくなり、トラブルが起こることも少なくなります。

パルシステム「手づくりぬか漬け ぬか床に使用期限ってあるの?」

父によると私のぬか床もかなり古いものらしい(母が漬け始めたのは20年前!)。

容器について

大きめ(2.6L)のタッパーウェアを使っている。
冷蔵庫の下段に収まるサイズだ。

冷蔵庫のぬか床
ぬか床のサイズ
きゅうり1本を半分に割って入れるのにちょうどいいサイズ。

手を入れてぬかをかき混ぜるので、ある程度大きい方がいい

冷蔵庫で使うことを考えた、野田琺瑯のぬか床用容器も人気だ。

山崎実業よりもぬか漬けケースが発売された。
さすが、山崎さん、スタイリッシュ!色違いのブラックもある。

容器は清潔に保つ。
ぬかをボールに取り出して定期的に容器を洗っている。

ぬか床

蓋の溝に汚れがたまると雑菌のにおいがするので、アルコールで拭く。

容器をアルコールで拭く

ぬか床を平らに押して整えたあと、周りについた水滴やぬかをキッチンペーパーで拭き取る。

容器を拭きとる

その他 ぬか漬け用品

「鉄玉」をぬか床に入れると簡単に鉄分補給ができる。

ぬかに漬けると色の変わりやすいナスを鮮やかな色に仕上げるためにも使われるものだ。

我が家のぬか漬け

きゅうりのぬか漬け

私が漬けるぬか漬けは「きゅうり一択」。
季節になるとカッパのようにきゅうりを消化している。

浅めに漬けたものが皆の好みなので、ぬかの中に入れる時間もそれほど長くない。

夏場であれば、常温のぬかで朝食のあと8:00にぬかの中に入れて、夕食の前の16:00に引き上げる。
だいたい8時間くらいだろうか。

写真のように、きゅうりの外側が少し透き通った状態で完成。
中はぱりぱりとしていて、あっさりした仕上がりだ。

漬物が苦手だった同居人もこのぬか漬けはよく食べる。
「ハイボールに合う」と言う(!)。

ぬかから出して時間が経つと味が落ちるので、ぬかから出して冷蔵庫で30分くらい冷やしたものを食べるのがいちばんおいしい。


基本がわかったら一層気持ちが楽になった。
これからものんびり世話を続けよう。

冷蔵保存をうまく取り入れると、ぬか床管理は意外に簡単。
手軽なのに結構楽しめて、いいですよ。

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